蔡総統が世耕参院幹事長と会談 「日台の連携強化の必要性」確認

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記念撮影(写真提供:総統府)

台湾を訪問中の自民党の世耕弘成参院幹事長は12月28日、台北市の総統府で蔡英文総統と会談した。中国からの台湾海峡の問題をめぐり「日台の連携強化の必要性」などを確認し、安全保障分野での対話の枠組みとして、日台与党間の外交、安全保障責任者による「外務、防衛2プラス2」を定例化する。

蔡総統と世耕参院幹事長(写真提供:総統府)

 世耕氏は「台湾海峡の平和と安定」を明記した、日本政府が閣議決定した「安保3文書」を説明。「日台のハイレベルな意見交換は強力なメッセージになる」とした。安保分野に関しては「実務家同士の情報交換を深める必要がある」として、自民と台湾与党・民主進歩党の外交・防衛政策責任者による対話の定例開催を提案した。これについて蔡総統は賛意を示し、2プラス2は、世耕氏に同行した堀井巌外交部会長ら自民の外交、国防部会の幹部と、台湾の民進党の外交や防衛政策の責任者が担当する。日台の両党は2021年8月にオンライン形式で開いたが、対面形式による定期開催を実施する。 蔡総統は安保3文書について、「日本は大幅に防衛力を向上させて、地域の平和と安定を維持していく決意を見せている」と評価。さらに台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加入への支援も求めた。

安倍元首相の銅像を前に「努力していきたい」

 会談に先立つ12月27日、世耕氏らは台湾高雄市の「紅毛港保安堂」にある安倍元首相の等身大の銅像のもとを訪れ献花した。銅像は安倍元首相が銃撃後、安倍氏が日台親善を推進した功績を称えて建てられたもの。台湾の民間団体などから寄付を募り建てられた。「台湾の永遠の友人」と刻まれている。

世耕氏は安倍元首相の等身大の銅像のもとを訪れ献花した(写真提供:中央社)

 世耕氏は「今にも話し出しそうな顔をされているなと思う」と感想を述べ、「安倍さんの銅像を見てこの地域の皆さんの気持ちを感じ取ることができた。自民党参院議員もさらに日台の絆を深め、しっかり努力をしていかなきければならないという気持ちになった」と心境を語った。記者団からの「首相を目指すか」との質問には「国会議員になった以上、いずれは国の舵取りをしっかりやってみたいという思いは持っている」と話した。会長不在が続く安倍派については「何か慌てて結論を出す必要はないと思う」と述べた。

 なお、世耕氏の台湾訪問は安倍元首相や萩生田政調会長らとともに訪れた2010年以来。萩生田氏は12月中旬に再訪問している。